2009年8月18日火曜日

Harvard Business Review 2009年9月号


信頼というものに焦点を当てている号です。
人はそもそもが他人を信じやすいようにできているといった話や、チームワークに関する一般的な認識を覆す話などは小さな企業にとっても役に立つ内容かと思われます。

金融恐慌から端を発した経済危機の状況下において、実は一番得ることが難しくなったことの一つの信頼というものがあるのではないかと考えています。
それまであって当然だと思われていたものが容易くひっくり返る世の中にあって、一体何を信用して生きていけばよいのか、という思いを抱いた方は多いのではないでしょうか。


「商売は信用が命」という言葉は以前から言われています。
それは一朝一夕にできるものではなく、長い時間をかけて育むものであることは間違いありません。
しかし、信頼を築くことを意識しないまま単純に事業を継続していて信頼が得られるほど楽な時代でもないのではないでしょうか?

大切なことは経営を意識化することです。
何を目的としてどのように取り組んでいるのか、そしてそれはどのような評価を得ているのか。
このような日常的な研鑽を続けることが、信頼を得るためには必要なのだと思います。

2009年8月3日月曜日

経営の神は細部に宿る


多くの経営書において「大局観の重要性」や「戦略的(大きな目標)が重要であり、戦術的(具体的な行動論)はその次の問題」という視点が語られます。
木を見て森を見ず、にならないことの重要性を繰り返し指摘されているわけです。

しかし、本当に森ばかりを見ていて経営は上手くいくのでしょうか?
例えば植物の伝染病などは、まず一本の木が感染するところから始まります。
もし森全体の雰囲気ばかりに気を取られ、一本ずつの木を見ることを怠ってしまった場合、気がつけば森全体が伝染病にやられてしまうような事態になります。


戦略と戦術のどちらがより重要なのか、と問われれば私は「どちらも同じくらい重要」だと答えます。
大局観なき行動は成果が出ませんし、具体的な実行プランが存在しない夢は実現することが出来ません。
「木を見て森も見る」姿勢こそが重要です。
そして、今日から始められるのはより小さなこと、細かいことなのではないかと考えます。


本書は「小さなことにこだわる」ということの重要性を指摘しています。
小さなことにこだわるのは、問題の発見だけではありません。
事業の発展においても、小さなことにこだわるのは意味があります。
他社との差別化を図るに当たり、まず大切なのは「小さな差別化」を心がけることです。
そして次に大切なのは「小さな差別化を繰り返す」という継続的な姿勢です。

細かい人間はダメ、という意見がありますが一概にそうとは言い切れないよ、ということが分かります。
手軽に読める本ですので、是非ご一読を。