2011年3月28日月曜日

ゆるめてリセット ロルフィング教室



能楽師の安田登さんが書かれたロルフィングに関する本です。
自分で簡単にできるエクササイズが紹介されています。

ロルフィングは「身体の緊張を解す」「分化を促す」「身体の必要な部分を活性化させる」ことなどを目的とするボディワークです。
現代人の多くは圧倒的に運動量が不足しています。
また「見た目重視」が過ぎることから、本来使えるべき部分が使えておらず、それによって身体のレベルが著しく低い状態になっています。

特に昨今の荷重ストレス状態(余震、原発、停電、水など)は、身体に相当な悪影響を及ぼしています。
そして身体の不調は心のアンバランスにもつながっていきます。

身体をほぐす手段を一つ学んでおくだけで、不調の原因が軽減されるのではないかと思います。

粗食のすすめ



以前から買ってあった本ですが、こういう状況になり少し早めに読んでみました。
「風土にあったFOODを食べるのが良い」というのは確かにそうなのかと思います。

また、昨今の「栄養素重視」の食事については何かがおかしい気がしています。
「◯◯を何グラム食べたから大丈夫」というのは食べ物の部分的な要素のみを取り上げています。
しかし、一つの食べ物には色々な側面があって当然で、その一部分だけを取り出して「◯◯健康法」といった話につなげるのはおかしいのかと。


とはいえ。
本書もまた食べ物の「一側面」を抜き出して話が進んでいる部分もあります。
ですので全面的に信頼するのもどうなんだろう?とも思っています。
明治時代くらいの平均寿命と現在とを比較した場合に、あきらかに現在の方が長いのは確かですし。
本の中で語られている統計値やデータの扱い方にやや恣意性を感じます。

ちなみに、本書で紹介されている粗食メニューは被爆時の対処として良いとされているメニューと非常に似通っていますね。
その側面から見直してみるのも良いかもしれません。

数学ガール 乱択アルゴリズム



数学ガールの四冊目です。
アルゴリズムと「効率的な手段」としての乱択のお話が主軸になっています。

遠い昔、プログラマなる職業をやっていた身としましては、ウォークスルーなんかはとても懐かしく思いました。
そういえばこうやって一行ずつ確認していったよなぁ…と。
以前、実務のレベルではさっぱり分からなかった「数学とプログラムの関係」についても本書で初めて触れられたような気がします。
どちらかというと、プログラマの実務レベルだと「文章を読めるか」とか「顧客の要望が理解できているのか」という方が主軸になっていた気がします。


問題解決のための問題、というのは大切な観点ですね。
P≠NP問題、以前から知ってはいましたがやっぱり難しい。

2011年3月3日木曜日

ねじとねじ回し



ねじに関するお話が深く掘り下げられている一冊です。
一時期日曜大工に凝っていた時期があるのですが、確かに釘とネジではその役割に大きな差異があることを強く感じていました。
ネジ、すごいな~と。

そもそも「ネジ」という仕組みを誰がどう考えたのか?というのをどこまでも深く追いつつ、最後の解説文では現代のネジ事情などにも触れられています。

回転運動、螺旋構造などは身体感覚などを考える際にもよく用いられます。
たかがネジ、されどネジ。
ちょっとねじについて詳しく知りたくなってくる一冊です。

facebook使いこなし術



あくまでフェイスブックの説明書代わりに購入。
内容については特にひっかかったところもなく。
ソーシャルの考え方については、正直「大して興味がない」のが本音です。

私にとって大切なのは

「どんな道具も身体の延長線上にあることを常に意識していること」

です。

言語情調論



折口信夫さんという民俗学者、国学者の方が卒業論文として書いた一冊です。
日本語のもつ「音」の性質について非常に細やかな分析がなされていきます。

正直にいえば内容が難しくてやや理解できなかったところもありますが、それでも面白い部分が多々ありました。
言語が持つ「気分性=情調」の部分について改めて考えさせられます。

また五十音の表記が如何に画一的に作られたものであるかがよく分かります。
「音の持つイメージ」を文字の形にすると、色々と削られてしまうものがあります。


歌を歌う人間として「美しい日本語」というものは追求していきたいところです。
また「聴き心地の良い音」を出せるようになることは、色々なお仕事でも役立つのではないかと思います。

白隠禅師 健康法と逸話



白隠禅師というのは有名な江戸中期の禅僧の方です。
内観の秘法、軟酥(なんそ)の法という健康法(と書くと怒られてしまいそうですが)などを提唱し、多くの人を救ったそうです。
本書はその内観の秘法、軟酥の法のやり方が書かれています。

一切特殊な道具を使わず、自分の身体意識を活用することのみをもって病から快復する術が書かれています。
現代語訳から少しだけ抜粋すると

「すべて生をやしない、長寿をたもつ根本の秘訣は、いちばん身近であり、世界でただ一つの絶対的存在である自分の身体と心の形を、ととのえ、型を練り、心を落ちつかせ、心に平安をみたすのがいちばんであります。」

なんともシンプルな方法です。
具体的な技術面に関してみると、やはり全身をゆるめることの重要性が指摘されています。
加えて「五感で再現をすること」の重要性にも触れられています。


身体一つを使いこなせることで出来ることの大いなる可能性を感じさせてくれます。