浄土真宗の現門主、大谷光真さんが書かれた本です。
現代に生きる我々は、常に「志の高さ」や「意志の尊さ」、「努力の必要性」などを求められ続けています。
そして「自分の人生を自分の力で切り開いていくこと」の素晴らしさが強調されます。
しかし、その方向にばかり進んだ結果、明らかに「疲れ」が出始めているのが現状なのではないかと。
厳しい経済情勢、思い通りにはならない諸々のこと。
これらのことが原因で、人はいともたやすく「絶望」や「不合理」の世界に堕ちるようになりました。
「人は基本的に不完全だよ」ということを前提においている本書のような考え方は、実は非常に理に適っているのではないかと思います。
世界と自分との関係性を感じ取り、孤独に陥らないことが生きていく上で何よりの支えになるかと。
自分の内側をゆっくりと解きほぐしたい時にオススメの本です。
是非ご一読を。