2009年6月5日金曜日

ブランドのレシピ


「商品の品質が高ければ売れるはず」という勘違いほどやっかいなものはありません。
所謂「ものづくり信仰」とも呼べる考え方に基づき、独自の技術や商品力を高めることで企業収益力が高まるといった議論をしているケースが非常に多く見受けられます。
しかしながら、そういった考え方で現在の経済環境を乗り切ることは不可能です。


大切なことは、自社そのものや商品に対するイメージを明確化し、それを対象に適切に伝達する行為などです。
商品の価値とは商品そのもののみで決まるものではなく、企業側の態度や顧客の考え方、商品の提供方法など様々な要因を含めて考慮すべき事項です。
このような考え方を総称して「ブランド」と考えることが出来ます。

本書は、ブランドについて述べている本です。
お勧め出来るポイントとしては、具体的な行動プランレベルまで内容が落としこまれていることです。
本書に掲載されているフレームワークをなぞるだけでも、一定レベルのブランド戦略を練り込むことが出来るでしょう。

一定規模の企業が想定されているので、中小零細事業者にとってはやや関係の薄い部分も含まれています。
しかしながら、そういった零細事業者ほどブランドについては真剣に考えるべき時代です。
自社ブランドの構築に失敗した事業者は、規模の大きな同業者に駆逐され尽くされることが予想されます。


本書が皆様の具体的アクションプランの一助になると幸いです。

2009年6月4日木曜日

3分でわかるラテラル・シンキングの基本


フレームワークという考え方はご存知でしょうか?
物凄く平たく説明してしまえば、経営方針を決めるに当たって利用される考え方を書式化したようなものです。
多くの場合、縦軸や横軸が用意され、自社や製品のポジションについて色々と語られることになります。
PDCAサイクルだとかSWOTだとか、実に様々な種類のフレームワークが存在します。

その中で、非常に伝統的な手法として用いられているのが「ロジカル・シンキング」というものです。
ロジカル、つまり物事を合理的に考えることにより、より深く理解することを目指しています。
自社の事業分野に対する理解を深めるという点において、この考え方はバーティカル(垂直方向)なものであると理解されています。


これに対して比較されるのがラテラル(水平方向)な方向への思考展開です。
例えば既存の商品を全く別の市場に持って行ってみるだとか、売買の順番を入れ替えてみるといった発想法は、どちらかといえば「今までの常識からは考えられないこと」に該当します。
ラテラルな思考においては、どちらかといえば「過去の常識を如何に忘れるか」ということに焦点があてられることになります。

本書は、そんなラテラル・シンキングの基本を簡単に学べる本です。
分量もそれ程大きくなく、さらっと読める分量ながら、水平思考の方法論を非常に端的にまとめてあります。

「現状のままで良いのか」
「このままで業界に先はあるのか」
こんな悩みを抱えている方にとって、より必要なのはラテラルな発想法なのかもしれません。