2009年12月29日火曜日

「ゆる呼吸法」革命



人間は多くの細胞が結合する形で成立しています。
その人間が多く結合することで社会が成立しています。
人間を含めた生物の結合から星が形成され、その星の形成から星系が、そして銀河が、宇宙が…とどこまでもその範囲は広がっていくことになります。
細かい方にいけば、個々の細胞は生きているのであり、その個々の細胞の中にもまたより細かな生物が生きていることになります。


本書の目的は、生きている小さな生物群である細胞と人間の交流を図り、その能力を活性化させることです。
会社が多くの社員から成立するように、一人の人間も多くの細胞から成立します。
マネジメントが適切な経営により社員を導くように、一人の人間が適切な身体運営によって細胞を活性化するように導こうとするわけです。

身体で理解することを忘れがちな現代人にとって、とても意義のあることかと思います。
何より素晴らしいのは、そのための方法が誰にでも挑戦出来る形にまとめられていることです。
特別な技術など何一つ必要ありません。


私自身も少しずつ実践していきたいと思います。

2009年12月26日土曜日

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら



ドラッカーの「マネジメント」は経営に関する近現代書物の中で基本にして最良と言われている一冊です。
私自身も読了しています。

本書はその「マネジメント」を女子マネージャーが読んだらどうなるか?という設定でお話が進みます。
小説ですので、いわゆるご都合主義的な部分もあるのですが、それを加味しても「マネジメント」に関するお話がとてもよくまとまっているように思います。


規模の大小に関わらず、組織にはマネジメントが必要です。
また、営利企業のみならず非営利組織や部活動などにおいてもマネジメントの考え方は大変重要になってきます。

人の強みに根ざした組織、成果を評価の基準とすること、顧客から話を始めること。
今でも実践出来ていないことが多いなぁ…と反省しきりです。


サクっと読める本です。
マネジメントを読む前に、あるいは気軽に復習したいときに是非。

2009年12月19日土曜日

ザ・クリスタルボール



つい先日ご紹介した物流に関する本にストーリーをつけたような内容です。
それほど複雑な話でもなく、如何に適正な在庫を保有するかという問題に対しての解決方法が提示されていきます。

在庫をいくら持つべきか、というのは商売における伝統的かつ常に最新の課題です。
個別レベルで立てた需要予測がまったく当てにならず、売れると見込んだ商品が大量に在庫として抱えるハメになったり、逆に品切れを起こしてしまい販売チャンスを逃すようなことも。


本書で紹介されている方法は、小さな会社がそのまま使えるようなものではありません。
ただし、学べきポイントはあります。

・適切なタイミングでの商品の購入

物語の中では一番最後の方で触れられているこのポイントが、小さな会社における最重要課題です。
新たな仕入れルートの開拓や製造工程の見直しなど、実は本書の提示しているお話と非常に密接しています。

女は毎月生まれかわる



つい先日ご紹介した高岡英夫さんと以前にご紹介した三砂ちづるさんの共著です。
どちらの著書も面白かったので読んでみましたが、やっぱり面白かったです。

ゆる体操の方法論と併せて、最終的に目標とされるセンターの意識や、女性の月経に対する身体の使い方や意識の持ち方などに触れられています。


正直、男である私には分からない部分も非常に大きいです。
しかし、本書の中でも触れられている「男性よりも女性の方が身体のパフォーマンスは高い」という事実を考えるに、その女性の身体能力を高める方法論が男性にとって有用でないことはありえないのではないかと思います。
筋肉や関節に加え、内蔵のゆるめかたなども意識出来るだけでも確実に自分の身体に対する意識が高められると思います。

少しずつ実践して、センターのある身体を手に入れていきたいものです。

2009年12月17日木曜日

最新戦略物流の基本とカラクリがよ~くわかる本



良著です。

物流対策というと自分のような小さな会社には関係がない、なんて考えてしまいがちです。
しかしながら、実は物流というものはどんなに小さな企業においても非常に大きなポイントを占めています。

・適切な在庫水準をどのように保つのか
・小口での輸送は出来るのか
・資材調達のタイミングをどのように図るのか

これらはすべて物流という分野の一側面と考えることができます。

「在庫に問題がなく、顧客に適切なタイミングで商品が届くように調達のタイミングがバッチリとることができている企業」であれば物流対策は必要ないでしょう。
しかし、そんな企業はそうそう存在しませんし、だからこそ物流について検討する必要性があるのです。


本書は物流を戦略面から考えるための入門書として非常に優れています。
私自身が常に気をつけている「キャッシュフロー経営」の考え方についても、大変よくまとまっています。

「物を売る」というお仕事をされている方には広く読んで頂きたい本です。

2009年12月12日土曜日

うぶ声に応えて



身体に関する本が続きます。
三砂ちづるさんの「オニババ化する女たち
高岡英夫さんの「だれでも「達人」になれるゆる体操の極意
中村明一さんの「「密息」で身体が変わる

読み続けるうちに、どうしても「女性の身体」についてもっと知りたくなりました。
特に気になったのは月経のことや出産のことですね。
この辺りの話が勉強したくなり、どんな本を読めば分かるかな~と少し考えました。


で、選んだのが助産師さんが書かれたこちらの本です。
読んだ結果、やはり我々はもっと自分たちの身体について知るべきだと感じました。
特に女性の身体について、もっと積極的に知るべきだと思います。
加えて強調したいのは、女性の身体について男性ももっと知るべきかと。

とかく、我々男性が女性の身体に興味をもつのは「性的な意味」からなわけで。
その点について、別に否定をする気もありません。(私だって人並み以上にスケベですから)
ただ、闇雲に「命は大切だ」とか「他人には優しくしなくてはならない」なんて精神論を子供に教えるよりも、「性」というものに対して総合的・体系的なお話を伝えた方が感じてもらえるのではないかなぁ、と感じています。
我々は皆母親のお腹から産まれたわけですから。


男性が読んでも、いや、男性こそ学ぶところがある本です。

2009年12月11日金曜日

「密息」で身体が変わる



日本人が以前行っていたであろう呼吸法「密息」について書かれた本です。
「密息」の仕方からその背景まで、非常に広い範囲に渡ってお話が進みます。


音楽をやっている身として、倍音やリズムに関するお話は非常に面白かったです。
また、ドラッカーなどを読んでいてよく出てくる「日本画の構造」の話などが見事に絡んできました。
主構造を持たず、豊かな従構造に支えられた世界観という考え方は、ドラッカーが繰り返し指摘しているお話とほぼ同様の指摘のように思われます。


そういった芸術論や社会学的なお話が、呼吸法一つから展開されるという点が非常に大切かと。
やはり「身体感覚を高める」ことの重要性を改めて思い知らされた気分です。


「ゆる体操」といい「密息」といい、身体感覚を知るのに良いテキストがまだまだあるものですね。

2009年12月7日月曜日

だれでも「達人」になれるゆる体操の極意



正直、私にとってはこの本に至るのは必然であったように感じています。
高岡英夫さんの提唱する「ゆる体操」に関する入門書です。

高岡さんに行きつくルートは三つ用意されていました。


・私が最も敬愛するアカペラグループトライトーンのヴォーカルベース、青木肇さんが繰り返し書評を書かれていた件。

・現在習っている殺陣剣術の教室でお世話になっている師匠がやはり高岡さんの本を読まれており、そのメソッドを取り入れている件。
高岡さんは「月刊秘伝」という武術雑誌に連載を持たれています。

・先日読んで大変面白いと思った三砂ちづるさんの本において、やはり高岡さんのお話が出てくる件。


ここまで状況がそろったからには、やはり取り入れなければならないだろうな~と。
というわけで読んでみて、且つ現在「ゆる体操」を自分の生活に取り入れ始めた所です。

最近、歌う時にもこの「ゆるみ」を意識しているのですが、以前に比べて演奏にムラがなくなった上、無駄な力みがなくなったことから息が以前に比べてもつようになりました。


コレ、もっと自分のものにしたいな~と素直に思える代物です。
日常生活においても存分に活用の余地がありますので、是非ご一読を。