2011年4月14日木曜日

やさしいベイトソン



コミュニケーション理論の大家であるベイトソンに関する入門書です。
「A」と「B」ではなく「AとBの間にあるもの」について着目をするのがコミュニケーションの基本です。
本書の中では「説明原理」として取り扱われています。
説明原理には重力、宗教、悪魔、スピリチュアルなど色々なものが存在しますが、その中の一つのツールとしてコミュニケーションというものの有用性を確立したのがベイトソンです。


言葉だけの言葉などというものは存在しない、というのはとても大切な考え方です。
それまでのお付き合い、前後の文脈、その人の人柄、あるいは発声の方法まで含めて、言葉というものはその状況、ストーリー、コンテキストの中に組み込まれて存在しています。
この現実を無視したまま言葉だけで物事を説明しようとすると、色々と無理が生じるように思われます。

「ただちに危険は生じない」「しっかりと対応していきたい」という言葉が流行している昨今にあっても、このコミュニケーションという考え方はとても大切なものなのではないかと思われます。

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