2009年5月23日土曜日

イノベーションと企業家精神


繰り返しご紹介しているドラッカー氏の著作の中でも非常に評価が高い一冊です。

イノベーションを一言で言い表すのは非常に難しいのですが、関連する言葉として氏が繰り返し述べられているのは「機会」や「変化」というものです。
人はとかく今まであったものを守ることにのみ執着し、変化や新しいものの訪れ、価値観の変遷を嫌う傾向があります。
しかしながら、成果を遂げてきた多くの「企業家」は、それらの動向を機会と捉え、新旧の技術や技能などを利用してきました。

本書は大きく三部構成に分けられています。
イノベーションの種類やその適用機会などについて述べられた第一部。
イノベーションを利用するに当たり大変に重要な意味を持つ企業家精神について述べた第二部。
そして企業が採用すべき企業戦略について述べられた第三部。


この混迷の時代にあり、イノベーションと企業家精神はある意味において全ての人に求められているものです。
それは生まれついての天才のみが保有するような才能ではなく、努力によって獲得できるものです。
「自分のことは自分で決める」という当たり前のことを、氏はこの著作でも述べられています。


昨今何かと話題になる「福祉国家」というものについても鋭い言及をしているこの一冊。
全ての人に読んで頂きたい「実践のための書物」です。

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