2010年9月11日土曜日

発声と身体のレッスン



鴻上尚史さんが書かれた「基本的には演劇を志している人向けの本」です。
とはいえ、本の中でも触れられていますが、人前に立つことが仕事になっている人にとっては、発声と身体に関してのレッスンを積むことはとても意義のあることだと思います。
よく「言っていることは良いのに説得力がない」という人がいますが、それなども「発声」やそれに対応するための「身体技術」を手に入れていれば、相当に改善することができます。
海外の政治家などが必ずヴォイストレーニングなどを受けているのも、そのような理由です。


本書は大きく分けて「発声」と「身体」に関する内容に分かれます。
そしてこの二つは不可分なものであり、「発声」に適した「身体」を手に入れるために必要な技術が関連性を持ちながら展開されていきます。


身体に関する技術については「外側」と「内側」に分けて考えられています。
ただし「外側」(具体的に格好良く魅せる方法など)については本当に簡単に触れているだけで、そのほとんどが「内側」に対するレッスンのために割かれています。
具体的には「リラックスした身体を手に入れるための方法」が具体的に説明されていきます。

内容としては野口体操やアレクサンダーテクニークなどの美味しい部分を色々とつまみながら勉強できる本かと。
専門的に勉強された方には物足りないかもしれませんが、それらを総合的にまとめているという点において中々に実用的な本なのではないかと思いました。

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