2010年9月7日火曜日

古武術介護入門



お客様に介護事業所を経営されている方がいらっしゃるのですが、そちらに置いてあったので何気なく手にとって読み始め、面白かったので自分でも買ってしまった一冊です。

古武術介護に関する6つの原理を紹介して、それを実践する具体的な技術について図解とDVDを使いながら説明をしていきます。
6つの原理とは

・揺らしとシンクロ
・構造
・重心移動
・バランスコントロール
・体幹内処理
・足裏の垂直離陸

この言葉だけでは中々分からないかもしれませんが、随所に散りばめられている「武術遊び」と呼ばれる身体を使ったテストを試してみることで、その意味が実感できるようになっています。


私自身、子供をだっこするときに「右腕」よりも「左腕」を使ったほうが疲れにくい、と感じていました。
これなどは6つの原理のうちの「構造」の話ともろに被っているように思われます。
右腕だと「腕の力」があるので腕だけで抱こうとするが、左腕の場合「腕の力」がないので身体全体を使わざるを得なくなり、結果的にそちらの方が楽になるわけです。


反動をつけず、ひねらず、溜めず、というのは日本の身体技法について書かれた本の多くで触れられている要素のように思われます。
そして、私の友人で西洋の発声について勉強をし続けている人がいますが、その人曰く現在の西洋における発声技術の最先端は正しくこの「予備動作のない動き」なのだとか。


これらの技術の多くは「部分ではなく全体を使うこと」で効率的な動きを目指しています。
「疲れやすい」とか「腰が痛い」といった症状にお悩みの方にもオススメの一冊です。

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