稀代の剣術家、兵法家として名高い宮本武蔵が遺した五輪の書。
その五輪の書の中にある「水之巻」に書かれている身体感覚に関する追求が中心となっている本です。
身体感覚に関するお話や物理学に関するお話など、人間の体が如何にシステマティックに構成されているのかがよくわかる一冊です。
また、本書の中で提言されている「分類しない、記号論にとらわれない稽古、練習」という考え方は、現代の我々には非常に重要なことを投げかけているのではないかと思います。
「ニュアンス」「曖昧」というと現代では否定的な意味合いで取られがちです。
極論でははっきりとしないものには価値がない、という考え方がスタンダードになりつつあるかと思います。
しかし、多くの実践、そして実戦において最終的に役立つのは「型や定義」ではなく「その場に応じて動く身体」の方なのではないかと。
学び方に対する一つの考え方を提示した本として捉えても面白い一冊ではないかと。
1 件のコメント:
いつか「宮本武蔵」を語り合いましょう。
コメントを投稿