2011年2月23日水曜日

創造する無意識 ユングの文芸論



ユングというとフロイトと並ぶ心理学の大家として有名なのではないかと思います。
無意識(集合意識のようなもの)を考え、そこから個々の人間が受けている影響などについて考えることによって色々な議論が進んでいきます。
本書は、その中でも芸術に関する話を根底においてお話が進んでいきます。


中々に難解で全てが理解できたわけではないのですが、現在の文明が「分かりやすい意識の世界に特化」することで成り立っていることは常々感じていたことなので、本書の中から色々と感じる部分がありました。
ユングが易経に影響を受けたらしい、というのは割と最近になって知ったことだったのですが、こう「世界的、宇宙的な存在」と上手く付き合えるようになっていくことは、実は現在のような状況においてこそ必要なのではないかと思います。
世界を自分の思うように構成していく、のではなく「与えられているものと上手に付き合っていく」感覚とでも言えば良いでしょうか。
無論、自ら切り開いていく精神も大切ではあるのですが、それだけでは物事がうまくいくわけではありません。


色々と頑張って疲れ気味な人にはオススメの一冊です。

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