2011年2月25日金曜日

夜と霧



第二次大戦中にナチスによる強制収容を体験した心理学者が、その体験をもとにして書いた本です。
約半世紀に渡り読み続けられている一冊です。

「自己実現」という言葉が昨今では流行のように使われていますが、そういった概念から程遠い状況にあった強制収容所という日常にあって、それでも人間を人間として保つために何が必要だったのか?
また人間が選択することの多くが大きなうねりの中では如何に頼りないものであり、しかしそれでもなお「希望を見失わないこと」が大切なのか。
実に色々なことを考えさせられる一冊です。


改めて思いますが、こういう「非常事態において役に立つ技術」はもっと重要視されるべきです。
我々は現在の状態が明日も、明後日も続くと漠然と信じていますが、昨今の情勢を冷静に考えるとそんなものは簡単に吹き飛ぶのではないか?という気がします。
「本当に大切な時に役立つ技術」というのは、身体的なものやごく個人的なものであったりするのではないかと。
戦略や戦術といった知識も大切だとは思いますが、その前に「日常的な言動」を改めていくことの重要性を改めて指摘されたように思います。


現在の自分が「如何に可能性に包まれているのか」ということを再確認できる一冊です。

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