2009年3月1日日曜日

マーケティング戦争



マーケティングというと「広告戦略」のようなものを考える方が多いかと思われます。
しかし実際には広告とはマーケティングの一部でしかなく、如何に質量共に優れた広告を使おうとも徒労に終わることもしばしば。

また「優れた商品さえ投入すれば必ず勝てる」という通説も昔から語られることです。
「自分の商品の良さに世間はいずれ気が付いてくれる」といった甘い期待から、愚直に自分の仕事を守り続けるような人が多くいます。
そしてこのような人は「職人気質」などと呼ばれ、さも美徳のように扱われたりすることも。


実際のところ、事業が上手くいくかどうかは同業他社との関係などに大きく影響されます。
自分より大きく、かつ似たような内容の事業を行っている分野に関してどれほど注力をしようとも、上手くいく可能性は限りなく低いでしょう。

王者には王者の、挑戦者には挑戦者の、ゲリラにはゲリラの取るべき戦術・戦略があるというのが本書の主張です。
そして業界の中の95%ほどの事業者はゲリラとして行動すべきなのに、さも王者のように振舞ってしまうことが失敗の原因だ、と述べています。


他者とは違う所に戦力を集中させ、占拠した市場を防衛する。
その市場は自分が守りきれる範囲に留めておくことが肝要である。
ゲリラは正面切って戦闘をしてはいけないのです。

本書ではクラウゼヴィッツの戦争論を度々引用していますが、マーケティングとは確かに戦争的な意味合いを多分に含んでいると言えるでしょう。

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