2010年12月15日水曜日

梅棹忠夫 語る



一つ前の更新で紹介した梅棹忠夫さんの最後の著書(対談集)になります。
「歩け」「思いつけ」「みろ」「権威に頼るな」「人まねをするな」「学はまねる、まねして成長しろ」「学問は自己合理化」等々、ズバズバっと色々なお話が語られていきます。

上で書いた「人まね」「学ぶ」は一見すると矛盾であるように思われますが、そうではないと私は考えます。
技術の習得において、人間はしっかりと「学ぶ」必要があります。
その時には師匠(あるいはそうだと思う人)を徹底的にまねしなければなりません。
「知的資産の技術」の方でも紹介されていますが、技術というものはある程度「没個性的」であることが特徴となっています。
習得をすることで誰しもが一定水準に到達することができるもの、それが技術です。

問題はその技術の適用方法についてです。
その点について、梅棹さんは「人まねはするな」というお話をされているのではないかと思います。

また、芸術畑に関わる人が「科学的素養に欠けている」という点についても興味深いです。
最近よく思うのですが、「歌の技術」は存外に科学的であり技術論的であると思います。
つまり「きちんと習得すれば皆そのレベルには到達できる」はずなのです。
ところがそれをいきなり「才能」だとか「個々人のそれらしさ」という言葉で括ってしまう。
私はとてももったいないことだと思っています。


何事にも「経営的思考」は必要です。
(別に金儲けにつなげろ、という意味合いではありません。)

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