2010年12月27日月曜日

未来を変えるちょっとしたヒント



未来学という「未来のことを考える学問」について平易に説明された本です。
未来学というと「未来予測」ばかりに着目するようなイメージですが、実際には「過去」「現在」とのつながりを非常に強く意識した内容となっています。

特に面白いと思ったのは「過去からの重石」でしょうか。
「自己のイメージ」という自分が自分に持っているイメージによって人がどれほど拘束され、未来への可能性を閉じているか。
「神話的観念」という大前提によって、どれほどの選択肢が廃棄されているのか。

昨今の「自分探しブーム」に強く違和感を感じているのですが、正しくこの「過去の重石」を強くしているのがこの「自己分析が重要だ」という「公理とされているもの」なのではないかと思います。

論理的思考だけでなく「思いつき」の重要性にも触れているなど、中々に面白い内容でした。
「他者からの懇請によって才能が開花する」という内田樹さんの意見とある意味真反対の部分も含みつつ、両者共に「自分が自分に持っているイメージの偏り、当てにならない部分」を取り上げているのも実に興味深いです。


死を意識することなど、未来のことを思ってこそ現在を正しく過ごしたいものです。

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