2009年9月9日水曜日

イヤな「仕事」もニッコリやれる陽明学


陽明学という学問に関するお話がまとめられている本です。
江戸~幕末期にかけて活躍した多くの志士達が学んでいた学問として、その名は少しだけ知られています。

この学問において「知行合一」という考え方があります。
この言葉について、多くの作家や学者が「言行一致のことだ」という説明をしています。
言っていることと行動は一致していなければならないよ、という意味合いですね。

ところが本書の著者は「そうではない」ということを力説しています。
「そもそも言葉と行動は合一のものである」という考え方こそが「知行合一」の意味だと述べているのです。
人間の中には「良知」と呼ばれるものが存在しており、その良知に従って発言をし、行動を起こしていることこそが重要だ、というような意味合いでしょうか。
(中々に難しいお話なので、簡単にはまとめられません)

哲学の勉強などをした方には、イデアなんてのが比較的近いのでしょうか。
ただし「正しいものが存在する世界が存在する」というのがイデアの発想法なら、「良知は人の中に存在する」と考えているわけですから、より一人ひとりの心がけで何とかなるのでは?という気がします。

他にも「日新(日々変わらないものなどない)」という言葉など、とかく閉塞感に陥りがちな現在のような世の中にあって心の中に留めておくだけでも毎日の生活が少し良い方向に向かうような言葉が紹介されている本です。
あまり難しいことを考えずに、なんとなく目を通してみるだけでも面白いかもしれません。

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