2010年7月20日火曜日

世界は分けてもわからない



先日ご紹介した「生物と無生物のあいだ」の著者福岡伸一さんの書かれた本です。
前著と明確なつながりを感じさせる内容となっています。


切り取られた絵画、実験的映像などをモチーフにして科学主義の進展により「生命」や「時間」を分けて分析しようとする行為に関する言及がなされていきます。
前著からひき続いて問われているのは「全体性」と「流動性」なのではないかと。


それでも、科学的な思考を志す現代にあっては「世界を分ける」ことでしか世界に近づくことはできないわけです。
その辺りの「分子生物学者」としての立場と、そうではないもっと「生き物」としての立場と、そういったものの矛盾と両立がまるで小説のように展開していく本です。


事業におけるマーケティングなどについても、こういった感覚を持ちあわせておくことは大変に有用なのではないかと考えます。
とかく視野が狭まりがちな昨今における一つの処方せんとして。

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