2010年11月1日月曜日

素数の音楽



リーマン予想を中心に据えて素数研究に関する歴史やそれに関わった人々に関するお話が展開されていく本です。

本書の中でも出てきますが、素数の研究などは産業などへの実用面などをあまり考慮しない純粋数学の世界で繰り広げられる、抽象的な概念のお話のはずでした。
それが、ある時期から突然に通信における暗号システムの構築に必要不可欠となり、その実理性が一気に注目されるようになりました。
同じような暗号システムとして利用されている楕円曲線暗号なども同様で、元々は数学者の頭のなかで繰り広げられる「思考の遊び、旅行」のような性質が色濃かったように思われます。


本書を読んでいると、例えば「役に立つことを学ぶこと」や「他分野とのつながりをどのように理解するのか」といった数学に限定されない「学問」「学ぶこと」について考えさせられることになります。
「役に立つことを学ぶ」
「役に立たないことも大切にする」
どちらも色々な本で紹介されている言葉ですが、その極端な例を展開している人々のお話です。

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