2011年1月7日金曜日

マネジメント信仰が会社を滅ぼす



マネジメント話が花盛りの昨今にあって、色々な手法が大手企業などでは取り入れられるようになったようです。
しかし、実際には日本企業の成績は上向いているように感じられません。

その原因として「意志の不足」を取り上げているのが本書です。
「ビジネス=意志」「マネジメント=管理」という区分けをし、現在の日本に必要なのは「管理」ではなく「意志」の方だと繰り返し指摘しています。

正直、この区分けにちょっと意図的な部分を感じたり(実際にはマネジメントの中でも意志の力は繰り返し取り上げられている)、また取り上げている事例が非常に極端な例が多いため、素直に首肯することができない部分もあります。
ただ、事業の推進力の重要性について改めて指摘しているという点については納得です。


もう一点、本書では「意志の力」を個人主義的なものとして取り上げています。
私にはこの点がちょっと不満だったりします。
ちょうど本書を読みながら、並行して「個人主義と集団主義」のことを取り上げている本を読んでいるのですが、集団において発生する意志の力というものは存在します。
おそらく本書は「最初の発信源として個人が意志の力を示すこと」を重要性を取り上げているのでしょうが、取り上げている事例をみると「どこまでいっても個人主義」というお話の成功例ばかりが続いています。
実際には「個人が発信した意志の力が集団の意志にまで昇華されより大きな動きとなる」ということが必要なのではないでしょうか。


どちらかというと本書の中でやや批判的に取り上げられている「もしドラ」的状況(ビジネスではなく、趣味などの世界)においてこそ、まず本書の内容を試すのが良いのではないか、という気がします。
(実際、本書内でも趣味などで挑戦することの重要性は取り上げられています)

私自身でいえば、趣味でやっているヴォーカルグループのリーダーとして心がけていることは「これがやりたい」ということをなるべく分かりやすくメンバーや関係者に伝えることです。
その中から共有されたものがグループとしての成果につながっていきます。
こういうところをきちんと体験していくことが結局は事業においても一つの武器になるというのはその通りではないかと思います。

0 件のコメント: