2009年2月25日水曜日

どこかで誰かが見ていてくれる



日本一の斬られ役と名高い福本清三さんへのインタビューをまとめた本です。
福本さんは「斬られ続けて2万回」と名高い東映の大部屋俳優で、数々の時代劇で主役から斬られ続けてきました。

殺陣においては斬られる役が絶対に必要です。
主役がいて、悪の主役がいて、その他大勢の悪の手下が必要になります。
福本さんは「その他大勢」として四十数年間斬られ続けたわけです。


福本さんは決しておごらず、謙虚にご自分のことを語ります。
「目の前のことを一生懸命やっていただけ」というお言葉は、ともすれば色々なことを他人のせいにしてしまいがちな多くの人にとって耳に痛い言葉なのではないでしょうか。

その一方で、氏は「運が良かった」とも語っています。
良い人に巡り合い、支えられていることのあらがたみを淡々と語り続けます。


人は多くの場面で「その他大勢」を演じるしかありません。
しかし、そんな時でも大切なのは「自分がどうするのか」なのではないでしょうか。
多くの方に読んで頂きたい一冊です。

0 件のコメント: