2009年2月6日金曜日

ブレークスルー思考



ハーバードビジネスレビューに投稿された論文の中から創造性やイノベーションに関するテーマについての論文を集めた本です。
日本版の雑誌では未収録の論文も含まれており、中々に読み応えがあります。

個人的には「観察」に関する論文が最も面白いと思いました。
「顧客のニーズを掴む」と言うのは簡単ですが、実はこれには大きな落とし穴があります。
実はニーズそのものを本人が認識していなかったり、そもそもどこにもそんなニーズは存在していないケースが非常に多いからです。
そのような状況下で、顧客や見込み顧客にどれだけ市場調査をしても魅力的な商品やサービスが産まれるかどうかは非常に疑問です。

大切なのは顧客や見込み顧客を観察し、解釈をして提示することです。
例えばメイド喫茶なら、この世界のどこを探したって「メイドさんがウェイトレスをやってくれる喫茶店が欲しい」なんて言っていた人はいませんでした。
つまりそんなニーズは存在していなかったのです。
ところが現に今では小規模な産業として成立するに至っています。
(一時期ほど話は聞かないので、現状がどれくらい流行しているのかは少し分かりませんが…)
一部男性のメイドさんに対する欲求を観察し、実際にコミュニケーションをとれる場があれば受け入れられるのではと分析・解釈をし、喫茶店という形で提示をしました。
一つの成功事例として考えると中々面白いのかもしれません。


常に新しいことを考える必要があるこのご時世、皆さんにも活用できる場面があるはずです。
是非ご一読を。

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