2009年10月25日日曜日

哲学的な何か、あと数学とか



実は前著「哲学的な何か、あと科学とか」も読んでいるのですが、まずはこちらをご紹介。

「数学=無機質な記号の羅列」というイメージを覆す一冊。
私自身は決して数学が得意なわけではないのですが、数学史のようなものには非常に興味があったりします。
以前ご紹介したポアンカレ予想だとか、リーマン予想の話などを聞いていると結構楽しめるクチです。

本書は「フェルマーの最終定理」が如何に証明されたのかについて、その歴史を語っています。
そこに存在するのは非常に人間臭く、目の前にある「そのもの」に真摯に向き合おうとするひたむきな人生そのものです。

一つの歴史読み物としてお勧め致します。

2009年10月24日土曜日

食卓からマグロが消える日



魚が好きです。
ご多分にもれず、マグロが好きです。
お寿司屋さんでは大体最後の方でマグロを食べます。

そんなマグロが資源として枯渇しつつある、なんて話は数年前から出ていました。
で、一つその手のことが書いてある本を読んでみようと思いまして買ってみました。


本の内容としては、マグロがヤバイというよりも「日本の養殖技術はすごい」ということに比重が置かれています。
日本の養殖魚が味や鮮度、食べ時まで適切にコントロールでき、場合によっては天然魚以上に安全性も高いことがあるということが書かれています。


この本の内容だけを鵜呑みにするつもりもありませんが、確かに農産物の品種改良の歴史などを考えてみると、魚を「食品」と捉えれば、人間側からより能動的に管理を進めようとするのも至って自然なことなのかもしれません。

とりあえず読んでいて、おいしい刺身が食べたくなりました。

この世でいちばん大事な「カネ」の話



漫画化西原理恵子さんが書かれた「カネ」に関する本です。
ギャンブルから投資、自分で金を稼ぐということと働くということなど、色々なことについて突っ込んだ発言がまとめられています。

私自身が資金繰りに関する書籍を書いた身ではありますが、本書は非常に立派な資金繰りに関する書籍であると感じました。
起業というものや経営というもの関して、非常に軽く考えている方も多い昨今ではありますが、お金というものに関しては是非ともこれくらいの真剣さをもって向き合っていきたいものだな、と。

私自身、本を読んだだけで理解できた気になっている事項が多いような気もして反省です。


「貧乏人の子供は貧乏人になる」
「金は人間関係」

これらは私も事実だと思います。
だからこそ金に対して、真剣に向き合う必要があるかと。

「買う気」の法則



マーケティングの4Pと呼ばれる要素はご存知でしょうか?
プロダクト・プライス・プレイス・プロモーションの四つを組み合わせることがマーケティングには必要だよ、という半ば古典とすら言われつつあるマーケティング学の基礎となっているものです。

プロダクト(商品やサービス)の品質が高いだけで売れるわけでもなく、プライス(価額)が安いからといって売れるというわけでもありません。
しかしてプレイス(売る場所)を変えさえすればどうにかなるわけでもありませんし、プロモーション(広告や広報)を積極的にやればそれで結果が出るわけでもありません。
この四要素が噛み合っていることが市場にその商品が残ることができる前提となってきます。


本書はプロモーション、特に広告というものについて日本の現状把握とその問題点、そして取り組むべき課題について取り上げています。
特に「どんな商品を売り込みたいのか」によって取り組むべき課題は異なっている、という部分などは多くの中小零細企業や個人事業者にとっても参考になる部分が多いかと思います。

現状、本書で言うところの事業主と呼ばれる人々は、こと広告というものに対して「過剰なる期待」を頂き過ぎなのかもしれません。
まず自分の身を律すること、後に広告の活用方法を考えること。
当たり前のことが案外とおざなりになっているのかもしれません。


中盤部に書かれている「マスコミの自縛と自爆」については、よくぞ書いてくれたという感じでしょうか。

2009年10月23日金曜日

マミちゃん(仮名)ばかりが、なぜモテる?



漫画化柴門ふみさんが書かれた「女が嫌いな女」を分析した本…のはずが、なぜか「日本人男性が如何に幼稚か」というお話に。

「雰囲気美人」に関するお話などは、非常に参考になります。
「美人薄命」だとか「美女は三日で飽きる」なんて言葉も世の中には存在しますが、「雰囲気美人」はその雰囲気を継続させる仕組みさえ維持できれば、成果は出し続けることができるのかもしれません。


正直「女の都合で勝手に分析するなや!!」と反発を覚える部分もありますが…。
ただ、自分のことは自分で見えないもの、結構痛いところをつかれてるよな~などと恥じ入る次第です。
「男が男を見る目」については非常に納得。

幼稚な男とそんな幼稚な男にいれあげる女の世の中、だからこそ世界は面白い。
結局人間って基本的にはどこまでいっても社会性の生き物なんだなぁ…とかってに結論づけています。

あえてラベルを「マーケティング」にしたのは人間間の関係性ということに注目して。
マーケティングとは究極的には関係性の生成と維持、成長促進です。

「論語」の話



論語について、ラジオで一ヶ月間放送された内容を一冊の本にまとめたものです。
それまでの論語に関する研究から、話者の独自の視点まで多くの解釈が取り込まれています。
「論語=難しくて分からないもの」という固定観念を払ってくれる、非常に面白い本です。

切り口も中々に面白いです。
孔子の音楽観や女性観など、通常の書籍では取り上げられないような切り口でその人物像が語られていきます。
人間としての孔子がどういった人物だったのか、想像力を刺激される内容です。


話者は「人間の可能性と限定を認識し、どのように生きていくのか」ということが論語の結論ではないか、とまとめています。
とかく「何かが悪い」「環境が悪い」「他人が悪い」と問題を外部に求めがちな我々ですが、結局は自分自身がどのように行動するのかが問われているということなのかと。

2009年10月8日木曜日

小説家の経営術


私はブログなどで常に「想像力を働かせること」の重要性を説いています。
というのも、想像力がない状態で物事を進めていても、結果は出せないからです。
「明確に想像できることは実現できる」ということを常に周囲に対して、そして自分自身に対しても言い続けているのです。

想像を働かせ、物語を作り上げ、自主性をもって行動を決める。
これらは非常に簡単であり、かつ、非常に難しい行為でもあります。


本書は小説家であり、同時に経営者でもある著者が小説と経営に関する話を絡めて進行していきます。
「読者を引き込む小説の書き方」から見えてくる「利害関係者を幸せにする企業経営の方法」について、非常に分かりやすく表現されています。

「何となく日常がつまらない」と思われているような方にとっては、中々に面白い内容かと思います。
自分の人生をより楽しむためのヒントが色々と詰まっているかと。