2009年10月30日金曜日

図解雑学 老子



孔子と並び称される賢人として挙げられる老子の思想に関する入門書です。
孔子があくまで「社会性」や「文明」というものを重視したのに対し、老子は「内面性」や「文明の否定」といった側面を持っています。


現代社会においては、およそ受け入れがたい言葉も多く載せられています。
「民は愚かなままにしておいた方が為政者は統治がしやすい」などの言葉は、例えそれが真実なのだとしても我々には到底許容できる考え方ではないのではないかと思います。

また老子は知識と言うものの存在も肯定的に捕えていません。
孔子と老子が会談した際、老子は「あなたが勉強していることなど全て辞めてしまえばよい」と孔子に対して諭したと言われています。
(ただし、これはおそらく架空のお話であろうと言われているようです)


しかしながら、その内面を深く問う思想には学ぶべきところも非常に多くあります。
「足るを知る」などはその最たる例です。
無制限な欲望が原因で身を持ち崩すことはいつの時代にも存在していました。

根源である「道」というものに即して素朴に生きることの重要性を説いた老子の思想は、とかく欲望に振り回されがちな我々にとっても学ぶべきところが多くあるように思えます。

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