2008年12月11日木曜日

「経済人」の終わり



敢えて断言をします。
「蟹工船」なんぞをありがたがっている暇があるなら、この本を読むべきです。


2008年冬現在起こっている現象に対して、これ程の的確な本があったのか、という思いがします。
ドラッカー氏の主張として「近代合理主義の破綻・終焉」とでも言えるようなものが根底に存在するようです。
西洋で生まれた資本主義・共産主義、そのどちらも既に破綻が確定している議論であって、現状のあらゆる閉塞感に対して有効な手段足りえないことなど、世界大戦があったころから分かりきっていたことだったのがこの本で確認出来ます。

この本の初版は1939年発刊です。
なぜファシズム・ナチズムと呼ばれるような勢力が発生し、あれほどに受け入れられたのか。
ドラッカー氏は「社会全体を合理的に捉える事の破綻」を原因として挙げています。

「経済」を世界の中心にすえる「経済至上主義」はすでに終焉・崩壊の一歩手前にあるのかもしれません。
その時に我々は何をなすべきなのか、この本にはその指針が含まれています。


個々人が自分を合理化し、経営・マネジメントすること、その重要性を理解させてくれる超推奨本です。

0 件のコメント: